医療法人社団 松伯会 山王クリニック    内科 循環器科 精神科 皮膚科

東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー25階 tel 03-3580-5001 理事長 渡邉基樹 院長 鈴木努

「 @親切にA正確にB素早く 」を理念としているのクリニックです - - - 本院は千葉県匝瑳市にあります。

原因不明の症状 Medically Unexplained Symptoms (MUS)

辛い症状が長期間続いているにもかかわらず、いくら調べても医学的な異常を認めない症状。自律神経失調症(functional neurological disorder)と診断されることもあります。

微熱 persistent fever

めまい blurred vision

頭痛 headache 肩こり shouler pian 腰痛 back pain

耳、喉の閉塞感 obstructive feeling of the throat or the ear

胸痛 chest pain 動悸 palpitation 息切れ shortness of breath

吐き気 nausea 腹痛 stomach pain

手足のしびれ tingling in the hands or feet

症状の原因 Posible causes of MUS

疲労の蓄積、ストレス、体質(アレルギー体質、運動不足)などが原因となります。パニック症、うつ病などの症状として現れることもあります。

ストレスに伴う脳の過敏性亢進(brain hypersensitivity)が原因と考えられていますが、原因不明の症候群として

慢性疲労症候群 chronic fatigue syndrome

過敏性腸症候群 irritable bowel syndrome

線維筋痛症 fibromyalgia

などが有名です。あらゆる精密検査をしても異常が認められませんが、長引く症状のため日常生活に支障をきたすこともあります。

複数の医療機関を受診しても原因がわからず、不安が雪だるま式に膨らんでしまうことがあります。

MUSの治療 Treatments of MUS

MUSの根本的原因は、脳の過敏性亢進と血管収縮に伴う血流不足です。脳が敏感になる→症状が強くなる→不安になる(血管収縮)→脳が敏感になるの悪循環が生じます。

精神療法
精神療法とは精神科医が症状について話を伺い、各人に適した助言をします。基本的には支持的精神療法といって、抱えている問題についてあらゆる方向から質問し、その方が抱えている苦しみを心から理解する(共感 empathy)ことから始まります。その他、

マインドフルネス Mindfulness Based Therapy (MBT)
未来、過去にとらわれずに今この瞬間の自身の感覚を大切にする事によって気持ちを鎮める方法。

ポジティブサイコセラピー Positive Psychotherapy
自身の悩み以外の前向きな行動や考えに焦点を当て、生活習慣の全てを治療の対象とする方法。

認知行動療法 Cognitive Behavioral Therapy
自身の考え方の特徴(認知の歪み cognitive distortions)を認識し、合理的な行動を意識して行うことで健全な精神状態を保つ方法。

薬物療法 pharamcotherapy
抗不安薬および抗うつ薬が有効と言われています。

自己管理 Self-help

MUSに対処する上で大変重要なことは、他力本願にならずに自ら行動することです。

定期的な運動 regular exercise
わざわざジムに行かなくても、10分間のジョギングやキツめのストレッチで十分です。おすすめはエア縄跳びと前後屈

ストレス管理 stress managing
ただしい腹筋(複式)呼吸でストレッチを行い、心と身体の柔軟性を高めます。ヨガ、瞑想、座禅が有効です。

自然治癒力 spontaneous healing
機械と異なり、体調不良は放っておいても自然に治ることがよく知られています。自然治癒力を最大限に発揮させるのが血の巡りです。運動やリラックスすることで血管が広がり血の巡りが良くなります。

MUSをきたしやすい人 Who's affected?

女性 women

神経質な人 sensitive person

運動不足の人 lack of exercise

MUSの自験例  My cases of MUS

40代女性 めまい 
1年間めまいが続き複数の医療機関を受診したが改善せず。めまいのため左右確認ができず車の運転を控えていた→ジプレキサ2.5-5mgで治癒。

30代女性 腹痛 
食事を摂るとお腹が痛くなり、どんどん痩せていった。消化器内科で検査を重ねたが異常なし→ジプレキサ5mgで治癒。

70代女性 左下腿の痛みとしびれ 
脳腫瘍の術後5年の経過は良好であったが、左下腿痛みとしびれが持続した。脳、脊髄の検査を受けるも原因となる異常はなし→アナフラニール10mgで改善。

30代男性 腰痛 
高所から転落して腰を痛め、3年たっても腰痛がひどく仕事ができない。。その後数箇所の整形外科に通院したが、原因となるような異常は認めなかった。→認知行動療法(コルセットを外しストレッチを行う)により症状は改善し復職した。

診断の陰り(見落とし)  Diagnostic Overshadowing

MUSとは逆に、一連の検査で異常を認めないため、「この症状はストレスから生じているのではないか」と考えて、実際の病気を見逃してしまうことがあります。
悪性腫瘍
自己免疫疾患
感染症
などが隠れていることがあり、症状の原因を網羅的に調べることも必要となります。

出典:英国国民保険サービス(NHS)サイトより

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