その10 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)について
スギ(1月中旬から4月)、ヒノキ(4~5月)、ブタクサ(9~11月)、イネ(公園の雑草7~11月)などが主な原因となります。1年中症状を認める通年性アレルギー性鼻炎はハウスダストアレルギーが原因です。

症状
くしゃみ、鼻水、目の痒みが有名な症状ですが、次のように多彩な症状が知られています。
・微熱・頭重感→花粉症は英語でhay fever(枯れ草熱)といい、微熱が出ることがあります。
・アレルギー性咽頭炎→喉の痛みが続きます。
・アレルギー性皮膚炎→目の周りは頬、口の周りがかぶれます。
・アレルギー性気管支炎→乾いた咳が続きます。

治療
アレルギーのもとが白血球と結合すると、炎症物質(ヒスタミン、ロイコトリエンなど)が放出されて、組織の血管が広がり赤く晴れてしまいます。
1) ステロイド点鼻薬(第1選択)
薬局で売っているものはステロイド点鼻薬ではなく血管収縮剤です。これは粘膜の血管を縮めてすぐに鼻詰まりが取れますが、10分ぐらいしかもちません。何度もやっていると粘膜が固く(線維化)なりますのでお勧めできません。

病院で処方されるステロイド点鼻は、速効性はありませんが、4~5日すると鼻がすっきりするのがわかると思います。ステロイドというと抵抗を示す方がいますが、粘膜のステロイドは粘液で洗い流され、体内の吸収が少ないので安全です。

2) 抗ヒスタミン薬(第2選択)
ルパフィン、ディレグラ、デザレックス、ザイザル、タリオン、アレジオン、クラリチン、アレグラと色々出ています。どれも効果は変わらないと思います。後ろ3つは市販されています。

3) 抗ロイコトリエン薬(第3選択)
シングレア、オノンなどは抗ヒスタミン薬薬と合わせて使用します。

4) 経口ステロイド(第4選択)
症状が治まらないときは数日間ステロイドを内服します。

5) SLIT(Sublingual liquid immune therapy)舌下免疫療法
4週ごとに3ー5年通院しなければなりません。しかも1回に1種類の花粉症しか対応できません。

6)その他鼻粘膜のレーザー、ラジオ波でによる焼灼

血液検査 
自己負担4000円程度で基本的なアレルゲン(スギ、ヒノキ、ダスト、イネ、ブタクサ)の反応がわかります。

非アトピー性鼻炎
特別なものにアレルギーはないが、寒暖差、疲れなどにより粘膜が腫れることがあります。治療は同じです。

以上です。
2020.02.06 19:34 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 健康一口メモ

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