その76 肋骨を引き締めよう
リブフレア(rib flare)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。ribは「肋骨」で、flareには「燃え上がる」「広がる」などいろいろな意味がありますが、フレアスカートやフレアパンツで使われている「広がる」という意味です。肋骨の幅と肋骨下角は女性より男性で大きくなっています。この肋骨下角(ISA: infra costa angle)が90度以上になった状態をリブフレアと定義します。



肋骨が広がっているとはどういう状態かというと、両手を広げ大きく息を吸ってみてください。左右の肋骨下の角度が広がり、肋骨の下縁が前方に突出してきます。また背中がそることで、骨盤が前に倒れ、反り腰の状態になります。

反り腰になると①腰痛 ②肩こり・首こり ③ぽっこりお腹 ④足のむくみ ⑤呼吸が浅くなる、などの症状が現れます。特に女性はデスクワーク中やハイヒールを履いて立っている時に反り腰になりやすくなります。特に産後の女性は、胎児が成長するにつれて、腹筋引き伸ばされて肋骨は肋骨は広がり、重みで前方に力がかかり反り腰になります。



肋骨が引き締まり、骨盤が真っ直ぐになっていると、上の図のように横隔膜と骨盤が正しい位
置関係(青いお椀を合わせた状態)になり、体の動きがスムーズになります。肋骨と骨盤を繋いでいる筋肉は腹筋です。腹筋は3重構造になっていますが、最も深層にある腹横筋はコルセットのように肋骨下縁と骨盤上縁を繋いでいます。お腹を凹まして息を吐くことによって腹横筋は収縮し、肋骨が引き締まり、骨盤が立ってきます。この状態では横隔膜と骨盤のラインが平行(stuck rib-pelvis )になっており、この状態の時に最高の運動ぱフォーマンスが得られます。野球、テニス、水泳、バレエ、武道などでは、骨盤と肋骨の連携が求められます。



腹横筋は一番深いところにあるので、トレーニングでもなかなか意識されません。特に運動不足の方、デスクワークの方は、体を取り巻く腹横筋の背中部部分と背骨の両側に位置する多裂筋に緊張が生じてしまい、固くなってしまい、肋骨が開いてしまうのです。今日のポイントは腹横筋、多裂筋を意識的にストレッチして体の動きを最適化することです。



一旦息を吐いて腹を凹ませます。その形のまま、ゆっくり呼吸を続けます(丹田呼吸)。親指を背中の真ん中に置て、両掌で肋骨を締め付けるように圧迫しながら、上体を前後に揺らします。親指を赤い線に沿ってゆっくりと動かしながら、体を前後に揺らします。

腸前上突起(ASIS)から仙骨に沿って親指で圧迫しながら体を前後に揺らします。親指を寛骨上縁に沿って少しずつ動かします。続いて、両手の親指を①の場所に起き、上体を前後に曲げ伸ばししながら、親指を仙骨までずらしていきます。この後に体を捻ってみてください。体操前よりも捻りやすくなっていると思います。靴下を履いたり、階段を昇り易くなるのがわかると思います。
               
以上です。
2025.08.14 14:18 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 健康一口メモ

- CafeLog -