その26 高齢者以外の新型コロナワクチン接種について
さていよいよ皆さんもワクチンを打つ時期が近づいてきました。打つ打たないを 迷っている方も多いと思います。2日に河野ワクチン担当大臣が「職域接種」を推 進すると述べた事で、各社の総務部からの問い合わせが相次いでいます。現在市区 町村が主体で行なっている集団・個別接種は、ファイザーワクチンを使っています がベルギーから2週間おきに発送されており、国内にまとまった在庫はありませ ん。「打ち手が足りない、歯科医師も接種に参加している」と連日報道されていま すが、現状は打とうにも弾がない状況なのです。決して医師会が協力しないからで はありません。

<日本で認可されたワクチン>

国の主体で行われている大規模接種はモデルナワクチンを使用していますが、これ はすでに2000万人分全てのワクチンが国内に備蓄されているので、1日に1万人分 ものワクチンを調達できるのです。モデルナのワクチンは今後国内でも製造される 予定です。

職域接種については、国が明確な指針を出していませんが、社員1000人以上の大 企業に限定して行われる模様です。現在のところクリニックへのモデルナワクチン の供給時期は未定です。産業医である私が、みなさんの職場にワクチンを持参して 接種できれば理想的ですが、ワクチン接種は接種後の体調観察や緊急時の手当が必 要ですので、接種場所はクリニックに限定されます。

市区町村のワクチン接種も年齢制限なく行われるようになって来ましたので、すで に接種券が届いている方もいると思います。ぜひ、一般接種もご活用ください。
<主な副作用(日本経済新聞「チャートで見る新型コロナウイルス」6月3日)

今回のワクチンは、左のグラ フが示すように、2回目の発熱 が約40%の方(特に若い方)に認 められます。蚊に刺されたときに大きく腫 れたり、じんましんの既往が ある方は接種は避けた方がい いでしょう。2回目の接種前には予めアセトアミノフェンなどの解熱剤を 服用するのがいいでしょう。

できれば、翌日は休暇をとっ てゆっくりされることをおす すめします。
社内では接種をしないと肩身 が狭くなるような扱いはせ ず、本人の自主性に任せることが望ましい。

まとめ(個人的な意見です)

・60歳代以上の人は受けたほうがよい。高齢者は副反応が少なく、重症化例が多 いため。

・特に基礎疾患のない40代から50代の女性はできれば受けないほうがよい。副反 応が女性に多いため。男性はどちらでもよい。

・30歳代以下の男女は罹患率や重症化率が低く、ワクチンの長期的な反応が確認さ れていない現在、受けないほうがよい。小学校での集団接種など論外。

(個人的意見の根拠)

・P2が終わって2週間で認可されたワクチンであり、現在の接種がP3同等(治験 中と同じこと)であり長期的な副反応、短期的な血圧上昇や脳出血、解離性大動脈 瘤などとの因果関係が明らかになっていない。


・日本人の罹患率は昨年4月から約70万人(0.7%)であり、Lancetに今年4月に 報告されたワクチン接種後のPCR陽性率は非接種者で10.8%、接種者で2.99%(有 効率93.8%)で、まだワクチンを打つ前の日本人の方がかかりにくい。また、日本の 超過死亡数はコロナ禍でむしろ減少している(米英は激増している)。



・ワクチンを打つ意義は医学的にはないが、社会心理学的には安心が得られるので 有効。だが、長期的な副反応がわかるまで、無理せずにゆっくり打つようが良い。 子供に対しては小学校で接種するなどと言っているが、子供は更に罹患率が低いの で、急いで接種しないほうが良い。

・ワクチンのデメリットも宣伝して(上記のように日本人にとっては統計学的に意 味のないワクチン、長期的な副作用が不明、コロナにかかる確率0.7%で重症化す る確率50代以下で0.3%、60代以上で8.5%であることから高齢者のみの接種でいい のではないか。新型コロナでなくなった人の平均年齢は、日本人の平均寿命(84.2 歳)とほぼ同じです。 https://doi.org/10.1016/S1473-3099(21)00224-3

(最後に) ワクチンパスポートなどという極端な発想(ワクチン接種後も約3%は感染する) が持ち上がっていますが、ワクチン接種をしないという選択が制限される偏りのあ る制度であり、日本では採用されないことを祈っています。

以上です。
2021.06.04 20:21 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 健康一口メモ

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