アインシュタインとセイルボート
BoatU.S.に興味深い記事を見つけました。私も50歳からセイルボートを始めました。
DeepLで翻訳したものを転載します。



アルベルト・アインシュタインは、世界の謎を解き明かしながらも、私たちと同じように、水辺でボートに乗って遊んでいたのです。

「天才」という言葉を聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、慈愛に満ちたしわだらけの顔の上に、乱れた白髪を四方八方に振り乱している姿ではないだろうか。その背景には、長い黒板があり、細かい文字が書き込まれている。この顔は、1905年に物理学の世界を震撼させ、現代の空間と時間の研究の基礎となった「相対性理論」を発表したドイツ生まれの物理学者の顔であり、天才と最も結びついた顔である。彼の最も有名な公式であるE=mc2は、老若男女を問わず、あらゆる場所で認識されている。しかし、それが何を意味するのかを説明できる人はほとんどおらず、その意味を理解できる人はさらに少ない。

アインシュタインは、世界で最も偉大な頭脳の持ち主でありながら、多くの点で、私たちと同じような人間であった。彼は、余暇に自分の考えを整理するために、埃まみれの本が並ぶ象牙の塔に閉じこもり、世間の目を気にするようなことはしなかった。その代わり、自分の船に乗ることを切望していた。もし、彼が何度も船を座礁させたとしても、その時々の船乗りとしての技量のなさは、彼のインスピレーションを刺激するものであったかもしれない、と考えることができるだろう。



第二次世界大戦で家も財産も奪われ、世界で最も有名な難民となる前のアインシュタインは、50歳の誕生日に友人から贈られた自慢の21フィートのスループ「タムラー」に乗って、機会あるごとに彷徨っていたそうで、医者から静養を命じられた後だった。タムラーとは「イルカ」という意味で、アインシュタインの好みに合わせて造られた。アインシュタインは、エンジンが苦手で、車の運転も習ったことがなかった。タムラー号は、船内エンジンを巧みに隠し、使わないときは制御装置も見えないようになっていた。小さな船室には、小さな頭部と座席があり、パイプを収納するための棚もあった。

アインシュタインは、1933年にゲシュタポに全財産を没収されるまで、ドイツ・カプトの別荘からタンムラー号を走らせていた。その後、亡命先のニュージャージー州から、愛用の「分厚い小舟」をナチスの魔の手から逃れさせようとしたが、失敗に終わった。ドイツ造船所のオーナーは、タンムラーを中立国に移してアメリカに送ることもできたはずだが、ナチスの報復を恐れて、それをしなかったのだ。結局、タムラーはオークションで売却され、1940年代半ばにその記録は消えてしまった。

アインシュタインは、渡米後、もう1隻、15フィートの船を所有し、ニューイングランドを航海していた。ティネフとは、イディッシュ語で「価値のない」、あるいは単に「がらくた」を意味する。おそらく、もっと立派な船であるタムラー号と比較していたのだろう。あるいは、遊び心で「ティネフ」と呼んだのかもしれない。ティネフは船乗りの腕前がよく、他の船に向かって猛スピードで突っ走ったかと思うと、最後の最後で笑って追い返したという話もあるし、家から数百メートルのところにある砂州に定期的に座礁していたという話もあって、船乗りの無能ぶりがうかがえる。ティネフは結局、ニューヨークのサラナク湖で航海中に岩に乗り上げてしまい、その痕跡も写真も残っていない。

風や潮の満ち引き、波など、常に変化し、予測不可能な要素を伴う船遊びを、あれほど整然と正確に思考していた人物が楽しむことができたのは、不思議に思う人もいるようだ。それは、「複雑な科学的思考から解放されるには、多少のカオスが必要だったのかもしれない」と推測する。しかし、ボートを愛し、できるだけ多くの時間を水の上で過ごす私たちは、違う結論を出すかもしれない。私たちは、自然の力が、穏やかに水面を揺らすにせよ、轟々としたうねりとなって積み重なるにせよ、常に発揮されていること、大きな秩序を示していることを知っていますし、アインシュタインの研究が、まさにその力を扱っていなかったとしたら、何を扱っていたのでしょうか?アインシュタインの有名な方程式にある目に見えない「E」というエネルギーが物質を動かし、海や船を愛する私たちを夢中にさせる風や潮流や波を生み出しているのです。アルベルト・アインシュタインは、自然の営みの果てにあるものを見ることで、その根源にある自然の法則を認識し、定義することができたのかもしれない。

Einstein's Energy for His Boats(BoatU.S.)
2022.10.17 16:29 | pmlink.png 固定リンク | folder.png つぶやき
2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(日本糖尿病学会)
2022-9-5日本糖尿病学会が「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を公表した。

作成の背景として,3 つのことが挙げられる.

1 つ目は,欧米人と日本人の糖尿病の病態の違いである.欧米人においてはインスリン抵抗性主体の肥満糖尿病が多いのに対し,日本人では肥満と非肥満が半々で,日本人 2 型糖尿病の発症にはインスリン分泌能の低下がより深く関連していると考えられる.

2 つ目は,欧米と日本の 2 型糖尿病の治療戦略の違いである.欧米では 2021 年度版まで,初回処方薬としてビグアナイド薬が推奨されてきた.

3 つ目として,National Database の解析により日本の 2型糖尿病の初回処方の実態が実際に欧米とは大きく異なることが明らかになったことが挙げられる(J Diabetes Investig. 13:280-291, 2022).

海外ではビグアナイドが第一選択であるが、日本ではDPP4が好んで使用される。

若年成人発症型糖尿病(maturity onset diabetes of theyoung;MODY)に関わるパスウェイが両民族集団において 2 型糖尿病と最も強く関連している。



1. インスリンの適応の評価と目標 HbA1c の設定
目標HbA1c:理想は7.0未満であるが、75歳以上においてはゆるく設定する(8未満)。

2. 2 型糖尿病における肥満合併の評価の重要性
2 型糖尿病の病態であるインスリン分泌不全およびインスリン抵抗性を臨床的に評価するには,インスリン分泌指数(II, insulinogenic index)やC-peptide indexなどのインスリン分泌能に関する指標や HOMA-IR などのインスリン抵抗性に関する指標が有用であるが,common disease である 2 型糖尿病全例に対してそれらの評価を行うことは現実的には困難と考えられる.

肥満度(BMI)とインスリン抵抗性には正相関があるため,肥満度が高い症例ではインスリン抵抗性の 2 型糖尿病の病態への寄与度が高いと考えられる。

肥満症例における薬剤の候補としては,インスリン分泌非促進系のビグアナイド薬,SGLT2 阻害薬,チアゾリジン薬などに加え,インスリン分泌促進系薬剤の中では体重減少効果が期待できるGLP-1受容体作動薬やインスリン抵抗性改善作用を併せ持つイメグリミン(ツイミーグ)も良い適応であると考えられる.

非肥満の 2 型糖尿病の多くは,インスリン分泌不全が病態の主体であるため,インスリン分泌促進系薬剤を中心に薬剤選択を行う.DPP-4 阻害薬は本邦の 2 型糖尿病の初回処方として最も多く選択されている。メトホルミンは日本人において非肥満においても肥満と同程度のHbA1c 低下作用を示すことから,非肥満例でも候補薬の一つとなりうる。

体重減少をきたしやすい糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬および SGLT2 阻害薬)を痩せの症例に使用する場合には16),サルコペニアやフレイルなどの老年症候群のリスクを高める可能性がある。

血糖非依存性インスリン分泌促進薬(SU 薬およびグリニド薬)の多くは腎排泄型であるため,腎機能低下者では低血糖リスクが高まる可能性がある



3.安全性への配慮
1)低血糖リスクの高い血糖非依存性インスリン分泌促進薬であるSU 薬およびグリニド薬の高齢者への使用に関する注意喚起,
2)頻度の高い併
存症である腎機能障害合併時の薬剤選択の注意点,
3)心不全合併例における禁忌薬をフロー中に記載 欧米では心不全合併糖尿病におけるメトホルミンの心不全入院や死亡リスク低下の報告48~50)から,心不全例のメトホルミンの禁忌は解除されている。

‌4.Additional benefits を考慮すべき併存疾患
i)心血管疾患
心血管疾患を合併した 2 型糖尿病においては,SGLT2阻害薬,次いで GLP-1 受容体作動薬を推奨度の高い候
補薬とした.

ii)心不全
心不全合併 2 型糖尿病においては,SGLT2 阻害薬を第一選択薬とした.

iii)慢性腎臓病(特に顕性腎症)
アルブ
ミン尿(特に顕性腎症期相当)を有する症例においては,血糖降下作用にかかわらず SGLT2 阻害薬を第一選択薬として考慮すべきである

5.考慮すべき患者背景(Step 4)
服薬遵守率→高齢化が著しい本邦においては,服薬回数をなるべく減らし,一包化や合剤の使用を含めた服薬管理が重要と考えられる.

医療費→糖尿病の医療費は脳血管障害,虚血性心疾患や人工透析を含めた生活習慣病関連 10 疾患のうち,入院医療費の第 3 位,入院外医療費の第 1 位

6.定期的な治療効果の判定と治療調整の必要性の判断
治療法の再評価と修正を検討するサイクルをおよそ 3 か月ごととし,糖尿病の病態や腎症等の合併症に沿った食事療法,運動療法,生活習慣の改善を促すと同時に,薬物療法の修正をする。

日本糖尿病学会誌第65巻第8号
2022.10.13 10:10 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 診断治療
うっ帯性症候群
11661Nさん56歳


左下肢の色素沈着が半年前よりあり、先週旅行から帰ってきたら前脛骨部の圧痛が出現。自然に治ったが押すと痛い。(右>左)のpretibial edemaを認める。



#1乾癬(大学病院皮膚科)
ルミセフ(IL17 inhibitor)を2週に1度自己注射(1本7万4千円)

#2肥大型心筋症・左室内血栓(大学病院循環器科)
ワーファリン4.5mg、メインテート2.5mg、トラセミド(頻尿のため)→エンレスト50mg2回。

#3気管支喘息(2021-12-10より当院)
アズマネックス吸入

#4下肢静脈瘤・うっ帯性症候群
2022.10.12 16:47 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 症例考察
その42 概日リズム circadian rhythm を整えましょう
秋分も過ぎ、これからは12月下旬の冬至までどんどん夜が長くなっていくます。いつも起きる時間になっても外は暗く、朝寝坊がちになってしまいますね。こんな時こそ毎日の生活リズムを乱さないようにすることが大切です。

今回のテーマは「概日リズム circadian rhythm を整えましょう」です。

概日リズムとは、生命に自然に備わっている体内時計のことです。20世紀の終わりにこの時計が哺乳類には皆備わっていて、脳内の視神経が交わったところのすぐ上(視交叉上核(SCN))にあることがわかりました。



SCNは各種ホルモンを分泌して人間の生活リズムをコントロールしています。1990年にはショウジョウバエにおいて、3種類の遺伝子が細胞内で24時間周期で増減を繰り返しているという研究が発表され、2017年にノーベル賞が授与されました。

概日リズムは環境に合わせて微妙に調節されますが、その調節に最も重要なものは光情報であることはよく知られています。生活のリズムを整えるためには「朝の光を浴びましょう」などといいますが、3種類のいずれか一つの遺伝子に異常がある場合は、光刺激により概日リズムが調節されにくいことがわかっています。

ヒトの概日リズムは約25時間といわれていて、放っておくとどんどん夜ふかし朝寝坊になってしまいます。概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)といって、精神科疾患として分類されています。治療は、光線療法、メラトニンが有名ですが、上述のように遺伝子に障害がある場合、その調節は一朝一夕にはいきません。

お勧めの概日リズム調節方法は、寝る前1-2時間はブルーライト(テレビ、携帯)を避ける、朝目覚めたら血圧を上げる目的で自転車漕ぎや脚を開いたり閉じたりの体操する、水を一杯飲んで胃腸を動かすなどです。どうしてもリズムが整わない時は、精神科でメラトニン作動薬を処方してもらうのもよいかもしれません。

急に寒くなりましたので、夜はゆっくり休んで免疫力を高めましょう。

以上です。

Hardin, P. E.; Hall, J. C.; Rosbash, M. (1990). "Feedback of the Drosophila period gene producton circadian cycling of its messenger RNA levels". Nature. 343 (6258): 536540.Bibcode:1990Natur.343..536H. doi:10.1038
2022.10.07 18:33 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 健康一口メモ

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