その79 股関節の筋トレ(アウフバウ)
最近「股関節が痛むので、整形外科に通っています」という患者さんが多くいらっしゃい
ます。
股関節は、深いカップ(臼蓋)に球体がしっかりとはまりこんでいるので、同じ球関節の肩関節と比べ、
体を支える上で抜群の安定性を持っています。歩行や走行により、股関節に体重の2~5倍の荷重がか
かるからです。

上の図のように股関節を安定させるため最も重要な役割をはたしているのが中臀筋です。中臀筋が
緩むと、大腿骨頭がカップと正しい位置関係を保てなくなり、関節唇(カップのへり)と大腿骨頭が
擦れ(大腿骨寛骨臼 インピンジメント Femoroacetabular Impingement FAI)、股関節を深く曲げ
る(しゃがむ、階段を昇る、深く腰掛ける)ときに、鼠蹊部に痛みを感じるようになります。

股関節の周囲には、上図のように多くの筋肉があり、脚を後ろへ引く(伸展)、前へ(屈曲)、外側へ
(外転)、内側へ(内転)、内股(内旋)、がに股(外旋)のように6つの動きに分類されます。股関節運動
は、大腿骨の回旋角度 × 骨盤の傾き × 足部の位置 によって、「どの筋が主に働くか」が切り替
わります。そのため骨盤周囲の筋肉を鍛えるには、上記の6種類の運動が必要になります。
先日たまたまYouTubeを見ていたら、往年の名投手工藤公康氏の動画が公開されており、その中で
「最近の子は、上半身で球を投げているから、肘や肩に負担がかかる」と述べていました。そして
「現役時代は下半身を徹底的に鍛えられた。アウフバウっていうのがあって、寝っ転がってやるん
だけど、冬でも外でやって汗びっしょりになる」と話されていました。
早速、調べてみました。ドイツ語でAufbau はAuf(up)とbau(build)からなり、build-up(鍛錬)
という意味だそうです。初めて聞く言葉でしたが、工藤氏の説明によれば下の図のよう
に、まず仰向けに寝て、足をまっすぐ(つま先を手前に引く)にして脚を10回上げ、続いて
脚を内旋(つま先を内側にして)10回、外旋(つま先を外へ向けて)10回やります。仰向け、
うつ伏せ、横向き、足の向き、左右で、10×3×3×2で180回、続けてやれば10分ぐらいで
終わります。

が、やってみると、とにかくきついのです。特に横向きが一番きついです。横向きでは、
先に述べた中臀筋の運動になりますが、普段あまり使わない筋肉なので、10回連続できません。
アウフバウを行うときには、必ず骨盤の位置を中立にした(腹筋を収縮させて骨盤を立てた肋骨を
締めた)状態で行います。
工藤氏によれば、股関節の鍛錬は「すべてのスポーツの土台になるが、それを築くには時
間がかかる」と締めくくっています。
私も早速やってみましたら、その後歩いてみると足が高く上がって、とても楽に歩くこと
ができました。オフィスでも、椅子に浅く腰掛ければできますので、ぜひお試しください。
、
骨盤を使う運動は日常生活でも、椅子に座るとき、立ち上がるとき、落ちているものを拾うとき、背中を
丸めずに、腰を折りたたんでから動くようにします。武道では「腰を畳む
以上です。
工藤工房 https://youtu.be/Kx8DNCLrEQA?si=6fId6FCPtSGTUWO1
ます。
股関節は、深いカップ(臼蓋)に球体がしっかりとはまりこんでいるので、同じ球関節の肩関節と比べ、
体を支える上で抜群の安定性を持っています。歩行や走行により、股関節に体重の2~5倍の荷重がか
かるからです。

上の図のように股関節を安定させるため最も重要な役割をはたしているのが中臀筋です。中臀筋が
緩むと、大腿骨頭がカップと正しい位置関係を保てなくなり、関節唇(カップのへり)と大腿骨頭が
擦れ(大腿骨寛骨臼 インピンジメント Femoroacetabular Impingement FAI)、股関節を深く曲げ
る(しゃがむ、階段を昇る、深く腰掛ける)ときに、鼠蹊部に痛みを感じるようになります。

股関節の周囲には、上図のように多くの筋肉があり、脚を後ろへ引く(伸展)、前へ(屈曲)、外側へ
(外転)、内側へ(内転)、内股(内旋)、がに股(外旋)のように6つの動きに分類されます。股関節運動
は、大腿骨の回旋角度 × 骨盤の傾き × 足部の位置 によって、「どの筋が主に働くか」が切り替
わります。そのため骨盤周囲の筋肉を鍛えるには、上記の6種類の運動が必要になります。
先日たまたまYouTubeを見ていたら、往年の名投手工藤公康氏の動画が公開されており、その中で
「最近の子は、上半身で球を投げているから、肘や肩に負担がかかる」と述べていました。そして
「現役時代は下半身を徹底的に鍛えられた。アウフバウっていうのがあって、寝っ転がってやるん
だけど、冬でも外でやって汗びっしょりになる」と話されていました。
早速、調べてみました。ドイツ語でAufbau はAuf(up)とbau(build)からなり、build-up(鍛錬)
という意味だそうです。初めて聞く言葉でしたが、工藤氏の説明によれば下の図のよう
に、まず仰向けに寝て、足をまっすぐ(つま先を手前に引く)にして脚を10回上げ、続いて
脚を内旋(つま先を内側にして)10回、外旋(つま先を外へ向けて)10回やります。仰向け、
うつ伏せ、横向き、足の向き、左右で、10×3×3×2で180回、続けてやれば10分ぐらいで
終わります。

が、やってみると、とにかくきついのです。特に横向きが一番きついです。横向きでは、
先に述べた中臀筋の運動になりますが、普段あまり使わない筋肉なので、10回連続できません。
アウフバウを行うときには、必ず骨盤の位置を中立にした(腹筋を収縮させて骨盤を立てた肋骨を
締めた)状態で行います。
工藤氏によれば、股関節の鍛錬は「すべてのスポーツの土台になるが、それを築くには時
間がかかる」と締めくくっています。
私も早速やってみましたら、その後歩いてみると足が高く上がって、とても楽に歩くこと
ができました。オフィスでも、椅子に浅く腰掛ければできますので、ぜひお試しください。
、
骨盤を使う運動は日常生活でも、椅子に座るとき、立ち上がるとき、落ちているものを拾うとき、背中を
丸めずに、腰を折りたたんでから動くようにします。武道では「腰を畳む
以上です。
工藤工房 https://youtu.be/Kx8DNCLrEQA?si=6fId6FCPtSGTUWO1
