その28  今年の夏の体調管理ー夏風邪もひけない
連日金メダルに湧く報道と新型コロナ感染者の増加を警告する報道が交錯するという、お祭りと葬式に同時に参加しているような複雑な心境の毎日です。都内の新型コロナPCR陽性者は4000人を超え、私達の周囲にもPCR陽性の人がちらほら現れるようになりました。

7月30日の菅首相会見によれば、「高齢者の76%が2回接種を終えている。今後は若年者への接種加速化が急務」とのことです。高齢者より若年者の感染例が目立つようになってきました。

果たしてワクチンの効果が出ているから、65歳以上の感染者が少なくなっているのでしょうか。ウイルス変異によって高齢者にかかりやすかった新型コロナが、若年者にかかりやすくなっていると考えるのが自然ではないでしょうか。つまり、新型コロナから旧型コロナ(普通の風邪)に移行しているのです。

これまでは、身近で新型コロナにかかる人はいませんでしたが、これからは職場内でも夏風邪様の症状をきたし、新型コロナと診断される方が出てくると思います。本来コロナウイルスは冬の風邪の起因ウイルスですが、夏には高温多湿を好むウイルスが風邪を流行らせます。

今回皆さんにお伝えしたいことは、夏風邪を防ぐ方法です。夏風邪はエンテロウイルス(腸)、アデノウイルス(喉)によって発症し、胃腸炎や咽頭炎の症状が中心となります。その他、ヘルペスウイルス(帯状疱疹)、コクサッキーウイルス(手足口病)も流行します。

夏風邪をきたす環境要因である1)熱疲労による免疫力低下、2)クーラーによる冷えと乾燥、に焦点を当てその対策をまとめました。

1)夏は日の出が5時前(今日の日の出は4時54分)で、早朝に目が覚めることが多く、睡眠時間が短くなるので、早寝早起きが基本です。外が暑く、家に閉じこもりがちになリますので、室内でストレッチなどをして血の巡りをよくすることが大切です。

2)クーラーをつけて寝ることが多く、寝冷えや粘膜の乾燥の原因となります。クーラーの設定温度を高めにするか、ドライモードにするといいでしょう。また、腹巻きをしたり長袖の寝巻きを着て体の冷えを防ぎます。Tシャツ短パンはお勧めしません。

疲れを取るための睡眠が、風邪のきっかけになることに注意が必要です。

万が一、この時期に微熱や喉の痛みなど風邪症状が出たら、無理をしないで仕事を休みましょう。喉の風邪には暖かい水分を取り、ぺラック(トラネキサム酸)や葛根湯を飲んでよく寝ること。お腹の症状には葛根湯の代わりに柴苓湯です。熱があればロキソニン、イブ、タイレノールやノーシンホワイトを飲んでもいいです。いずれも薬局に売っていますので、常備しておきましょう。

新型コロナが変異を繰り返して、一般の風邪症状に近づいています。昨日菅総理の会見で、自宅療養者を診療所の医師が往診するよう要請があり、そろそろ指定感染症から外れることが予想されます。少しぐらいの熱で、すぐにPCR検査を行う意義も少なくなっています。風邪かなと思ったら会社を休み、2-3日は上記の方法で様子をみてください。

以上です。
2021.08.05 19:41 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 健康一口メモ

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