その51 デスクワーク症候群(上半身編)
皆さんは1日何時間座っているでしょうか。
長時間悪い姿勢で座っていると下の図のように、①首の前面が緩み、②後頭部から肩が緊張し、③背部下部が緩み、④胸部前面が緊張します。

上位交差症候群(Upper-Crossed Syndrome :UCS ): 座位での不適切な姿勢によって、筋緊
張のアンバランスが起こります。
その結果、
1)頭部の前方姿勢 anterior head carriage
2)巻き肩 rounded shoulder
3)猫背 hunchback
になり、頭痛、肩こり、肩関節の可動制限、腰痛などの原因になります。
デスクワーク中は腕が体の前にあり、体の前面の筋肉(大胸筋)が緊張して、体の背面の筋肉(僧帽筋、三角筋、広背筋)が弛緩しています。下の図のように僧帽筋、広背筋は背部の広範囲をカバーしており、頭痛、肩こり、腰痛に深く関係しています。

https://www.mcdavid.co.jp/sportmed_anatomy/shoulder/
通勤中の荷物も姿勢に影響します。ショルダーバッグ、リュックサック、手提げ鞄の順に姿勢に悪影響があると言われています。
また、筋トレで体幹前面の腹筋、大胸筋のみを鍛えていると、上記のような背部の筋肉が緩みっぱなしになり、ますます猫背を助長します。
UCSへの対策
①大胸筋周囲を拳で擦って柔らかくする。
②三角巾を反対の手で掴んで腕をゆっくり大きく回す。
③手を後ろで組んで後ろに強く引っ張る。頭を後ろに倒し、舌を前歯の前に差し込む。
上半身の血の巡りが良くなって、頭がスッキリしますので試してみてください。
最後になりますが、下記の図を参考にして正しい姿勢で仕事をすると、集中力が高まり、疲労感も少なくなりますので実践しましょう。

デスクワークで凝り固まった背中を鍛えよう!
頭を体の真上に置こう!
軽く胸を張ろう!
私は毎日最低7時間座って仕事をしています。1日30人前後の患者さんを診察しますが、毎回立って迎入れ、診療が終わってお見送りした後は、その都度体を伸ばしています。
以上です。
長時間悪い姿勢で座っていると下の図のように、①首の前面が緩み、②後頭部から肩が緊張し、③背部下部が緩み、④胸部前面が緊張します。

上位交差症候群(Upper-Crossed Syndrome :UCS ): 座位での不適切な姿勢によって、筋緊
張のアンバランスが起こります。
その結果、
1)頭部の前方姿勢 anterior head carriage
2)巻き肩 rounded shoulder
3)猫背 hunchback
になり、頭痛、肩こり、肩関節の可動制限、腰痛などの原因になります。
デスクワーク中は腕が体の前にあり、体の前面の筋肉(大胸筋)が緊張して、体の背面の筋肉(僧帽筋、三角筋、広背筋)が弛緩しています。下の図のように僧帽筋、広背筋は背部の広範囲をカバーしており、頭痛、肩こり、腰痛に深く関係しています。

https://www.mcdavid.co.jp/sportmed_anatomy/shoulder/
通勤中の荷物も姿勢に影響します。ショルダーバッグ、リュックサック、手提げ鞄の順に姿勢に悪影響があると言われています。
また、筋トレで体幹前面の腹筋、大胸筋のみを鍛えていると、上記のような背部の筋肉が緩みっぱなしになり、ますます猫背を助長します。
UCSへの対策
①大胸筋周囲を拳で擦って柔らかくする。
②三角巾を反対の手で掴んで腕をゆっくり大きく回す。
③手を後ろで組んで後ろに強く引っ張る。頭を後ろに倒し、舌を前歯の前に差し込む。
上半身の血の巡りが良くなって、頭がスッキリしますので試してみてください。
最後になりますが、下記の図を参考にして正しい姿勢で仕事をすると、集中力が高まり、疲労感も少なくなりますので実践しましょう。

デスクワークで凝り固まった背中を鍛えよう!
頭を体の真上に置こう!
軽く胸を張ろう!
私は毎日最低7時間座って仕事をしています。1日30人前後の患者さんを診察しますが、毎回立って迎入れ、診療が終わってお見送りした後は、その都度体を伸ばしています。
以上です。
その50 気管支炎(咳止めは効きません)
梅雨時になると、咳の患者さんが多くなります。「もう花粉症の時期は終わったと思うんですけど」と不思議そうにされています。
花粉の時期(2月から4月)はスギやヒノキの胞子が原因となって、アレルギー反応を起こします。6月になるとエアコンのダストが原因となって、気管支粘膜の炎症を起こします。ダストの70%以上がトリコスポロンというカビであることがわかっています。
同じ気管支炎でも、花粉症によるものとカビによるものとでは、免疫の仕組みが異なります。前者はIgE(免疫グロブリンE)が担当し、後者はIgG(免疫グロブリンG)が担当します。
人間の生体内に備わる防御反応を免疫と呼びますが、その反応が過剰なものをアレルギーと呼びます。一般的には無害な物質に対し、過剰な免疫反応が起こると全身の毛細血管が拡張し、あらゆる粘膜が腫れてしまいます。その結果、涙、鼻水、咽頭痛、痰、咳など様々な症状が出ます。
皮膚の毛細血管が拡張すると「じんましん」となります。皮膚の血管の周りには、マスト細胞と呼ばれる、顆粒がいっぱいに詰まった細胞がちらばっていて、この細胞が顆粒を放出すると、血管が拡張して蕁麻疹を生じます。顆粒の中に含まれる主たる作用物質はヒスタミンと呼ばれるもので、皮膚の血管に働くと血管を拡張し、血漿成分を血管の外に漏れ出やすくします。またヒスタミンは痒み神経を刺激し、そのため蕁麻疹では痒みを伴います。
気管支粘膜の毛細血管が拡張すると気管支炎になります(図)。

気管支炎の病態
1.平滑筋の肥大
2.粘膜の腫脹
3.粘液の産生
以上の反応によって気管支内腔が狭くなり、息を吐く時に「ピューピュー」と笛のような音がします。気管支喘息などとも言います。
先ほどのヒスタミンが粘膜上に分泌されると、気管支粘膜の感覚過敏が起こります。通常誤って気管に水が入ったりすると誰でも激しくむせますが、気管支炎の場合は粘膜表面の感覚が敏感になっているため、息を吸って風が当たっただけでもむせこんでしまいます。
気管支炎になりやすい人
1. 体質→じんましん、花粉症などアレルギー体質の人。
2. 疲労→疲労状態では白血球の働きが活発になり、炎症物質を放出しやすくなる。
3. 暴露→アレルギーのものになる物質に長時間さらされている人(農夫肺、塗装工肺、
きのこ栽培者肺、室内の埃やカビ、ペット)
気管支炎の治療
1. 環境→原因物質を避ける。
2. 体調管理→疲労、アルコール、不眠などを避ける。自律神経の過緊張をとる。
3. 薬物→抗ヒスタミン、抗ロイコトリエン、吸入ステロイド。咳止めは根本治療ではない(麻薬系物質で脳の反応を鈍くする)ので、長期間の服用は避けてください。
完治するまでに1ヶ月以上かかることが多いので、すぐに治らないからといって治療を中断しないようにしましょう。慢性炎症がある場合は半年以上薬物療法が必要です。風邪を引いたら咳が残る人は、気管支炎になりやすい人です。
気管支炎の後発年齢は小児期(7−14歳)と40歳以降の2つの山があります(理由は不明)。高熱がある場合はウイルスや細菌感染による咳が考えられますが、解熱後も咳が続く場合は上記の薬物治療が必要となります。
上記の通り、一旦長引く咳を経験した場合は、それ以降風邪を引くたびに咳をが残るようになります。早めに受診して、上記の薬物を処方してもらいましょう。少なくとも薬局で咳止めを買うことはやめてください。
以上です。
花粉の時期(2月から4月)はスギやヒノキの胞子が原因となって、アレルギー反応を起こします。6月になるとエアコンのダストが原因となって、気管支粘膜の炎症を起こします。ダストの70%以上がトリコスポロンというカビであることがわかっています。
同じ気管支炎でも、花粉症によるものとカビによるものとでは、免疫の仕組みが異なります。前者はIgE(免疫グロブリンE)が担当し、後者はIgG(免疫グロブリンG)が担当します。
人間の生体内に備わる防御反応を免疫と呼びますが、その反応が過剰なものをアレルギーと呼びます。一般的には無害な物質に対し、過剰な免疫反応が起こると全身の毛細血管が拡張し、あらゆる粘膜が腫れてしまいます。その結果、涙、鼻水、咽頭痛、痰、咳など様々な症状が出ます。
皮膚の毛細血管が拡張すると「じんましん」となります。皮膚の血管の周りには、マスト細胞と呼ばれる、顆粒がいっぱいに詰まった細胞がちらばっていて、この細胞が顆粒を放出すると、血管が拡張して蕁麻疹を生じます。顆粒の中に含まれる主たる作用物質はヒスタミンと呼ばれるもので、皮膚の血管に働くと血管を拡張し、血漿成分を血管の外に漏れ出やすくします。またヒスタミンは痒み神経を刺激し、そのため蕁麻疹では痒みを伴います。
気管支粘膜の毛細血管が拡張すると気管支炎になります(図)。

気管支炎の病態
1.平滑筋の肥大
2.粘膜の腫脹
3.粘液の産生
以上の反応によって気管支内腔が狭くなり、息を吐く時に「ピューピュー」と笛のような音がします。気管支喘息などとも言います。
先ほどのヒスタミンが粘膜上に分泌されると、気管支粘膜の感覚過敏が起こります。通常誤って気管に水が入ったりすると誰でも激しくむせますが、気管支炎の場合は粘膜表面の感覚が敏感になっているため、息を吸って風が当たっただけでもむせこんでしまいます。
気管支炎になりやすい人
1. 体質→じんましん、花粉症などアレルギー体質の人。
2. 疲労→疲労状態では白血球の働きが活発になり、炎症物質を放出しやすくなる。
3. 暴露→アレルギーのものになる物質に長時間さらされている人(農夫肺、塗装工肺、
きのこ栽培者肺、室内の埃やカビ、ペット)
気管支炎の治療
1. 環境→原因物質を避ける。
2. 体調管理→疲労、アルコール、不眠などを避ける。自律神経の過緊張をとる。
3. 薬物→抗ヒスタミン、抗ロイコトリエン、吸入ステロイド。咳止めは根本治療ではない(麻薬系物質で脳の反応を鈍くする)ので、長期間の服用は避けてください。
完治するまでに1ヶ月以上かかることが多いので、すぐに治らないからといって治療を中断しないようにしましょう。慢性炎症がある場合は半年以上薬物療法が必要です。風邪を引いたら咳が残る人は、気管支炎になりやすい人です。
気管支炎の後発年齢は小児期(7−14歳)と40歳以降の2つの山があります(理由は不明)。高熱がある場合はウイルスや細菌感染による咳が考えられますが、解熱後も咳が続く場合は上記の薬物治療が必要となります。
上記の通り、一旦長引く咳を経験した場合は、それ以降風邪を引くたびに咳をが残るようになります。早めに受診して、上記の薬物を処方してもらいましょう。少なくとも薬局で咳止めを買うことはやめてください。
以上です。
その49 ストレスを跳ね返す力(レジリエンス)
昨年5月の健康一口メモで「5月病 spring fever」についてまとめました。
https://www.sannoclinic.jp/cafe/archives/art/00033.html
5月病の原因として「4月の環境変化への適応行動が、5月初旬の大型連休で緩んでしまう」こと、その他「日照時間増加、気温の上昇、変わりやすい天気、春の生命の息吹き」など、気象病の症状として感情や行動の変化が起こることを説明しました。医学的には適応障害と診断されます。
今回のテーマはストレスを跳ね返す力(レジリエンス)です。このように環境変化が起こった時に、適応障害を発症する人としない人がいるのは、両者の何が違うのでしょうか。
レジリエンスとは、economic resilience(経済の回復)、skin resilience(肌の弾力)などように「回復力」「弾力」などの意味で使われます。精神医学においては「レジリアンス」と表記され、決まった訳語はありませんが、ストレス要因への「抵抗力」や「対応力」の意味で用いられます。
「キャパ(capacity)が狭い」「キャパオーバー」などといいますが、レジリエンスの高い人はキャパが広いということになります。一般的に子供はレジリエンスが低く、年をとるごとにレジリエンスは高まってきます。一方で、単純な肉体疲労の回復は、年齢とともに低下していくことは言うまでもありません。レジリエンスは疲労を蓄積させない(器を大きくして、溜まったストレスをすぐに排出する)技です。
心理的柔軟性(psychological flexibility)1)という心理学用語もレジリエンスと同義語といえます。心理学者レビンによれば、心理的柔軟性は①変えられないものは受け入れる、②今自分がやるべきことに専念する、③人のせいにしない、④冷静に主張する、⑤自身を俯瞰する、というスタンスから生まれるといいます。
レジリエンスも心理的柔軟性も個人差はあるものの、生まれつき備わっているものではありません。成長とともに身につけていくスキルです。「私は体が硬い」という人は、柔軟体操を毎日行っていない人がほとんどです。レジリエンスを高めるためには、心理的柔軟性の5つのスタンスに沿って、自分の行動と思考様式を軌道修正する必要があります。
レジリエントな人は、ありふれたライフイベントや慢性的なストレッサーに順応したり、速やかに調節することができます(災い転じて福となすことができる、人間万事塞翁が馬を知っている、嬉しいときには自己を律し逆境においてもやるべきことができるetc)。ピンチはチャンスと考えられる人です。
一方で、米国の臨床心理学者ジュリアン・ロッター氏は「自己をコントロールする力が自己の内部にあるか外部にあるか(locus of control)2)」を個人の判断指標として提案しました。この指標が高いほど、自分本位で考え対処していこうとする傾向があるのに対して、低い場合は、他力本願的に対処しようとする傾向があるのです。
ここまで考えると、環境変化で体調を崩さないためには、常日頃から心の柔軟体操を行い、人に頼りすぎず、自分で考えて物事に対応することが大切になります。但し、疲労感が休息によって改善しないときは、無理をせず専門医に相談することが必要です。
季節の変わり目で体調崩しやすい時期ですが、こころと体の柔軟体操を日常生活の中に組み込んで、レジリエントな人(疲れない人)になりましょう。
以上です。
1) psychological flexibility; Levin, M. E. (2012) doi: 10.1016/j.beth.2012.05.003
2) locus of control; Rotter, Julian B (1966) doi: 10.1037/h0092976
https://www.sannoclinic.jp/cafe/archives/art/00033.html
5月病の原因として「4月の環境変化への適応行動が、5月初旬の大型連休で緩んでしまう」こと、その他「日照時間増加、気温の上昇、変わりやすい天気、春の生命の息吹き」など、気象病の症状として感情や行動の変化が起こることを説明しました。医学的には適応障害と診断されます。
今回のテーマはストレスを跳ね返す力(レジリエンス)です。このように環境変化が起こった時に、適応障害を発症する人としない人がいるのは、両者の何が違うのでしょうか。
レジリエンスとは、economic resilience(経済の回復)、skin resilience(肌の弾力)などように「回復力」「弾力」などの意味で使われます。精神医学においては「レジリアンス」と表記され、決まった訳語はありませんが、ストレス要因への「抵抗力」や「対応力」の意味で用いられます。
「キャパ(capacity)が狭い」「キャパオーバー」などといいますが、レジリエンスの高い人はキャパが広いということになります。一般的に子供はレジリエンスが低く、年をとるごとにレジリエンスは高まってきます。一方で、単純な肉体疲労の回復は、年齢とともに低下していくことは言うまでもありません。レジリエンスは疲労を蓄積させない(器を大きくして、溜まったストレスをすぐに排出する)技です。
心理的柔軟性(psychological flexibility)1)という心理学用語もレジリエンスと同義語といえます。心理学者レビンによれば、心理的柔軟性は①変えられないものは受け入れる、②今自分がやるべきことに専念する、③人のせいにしない、④冷静に主張する、⑤自身を俯瞰する、というスタンスから生まれるといいます。
レジリエンスも心理的柔軟性も個人差はあるものの、生まれつき備わっているものではありません。成長とともに身につけていくスキルです。「私は体が硬い」という人は、柔軟体操を毎日行っていない人がほとんどです。レジリエンスを高めるためには、心理的柔軟性の5つのスタンスに沿って、自分の行動と思考様式を軌道修正する必要があります。
レジリエントな人は、ありふれたライフイベントや慢性的なストレッサーに順応したり、速やかに調節することができます(災い転じて福となすことができる、人間万事塞翁が馬を知っている、嬉しいときには自己を律し逆境においてもやるべきことができるetc)。ピンチはチャンスと考えられる人です。
一方で、米国の臨床心理学者ジュリアン・ロッター氏は「自己をコントロールする力が自己の内部にあるか外部にあるか(locus of control)2)」を個人の判断指標として提案しました。この指標が高いほど、自分本位で考え対処していこうとする傾向があるのに対して、低い場合は、他力本願的に対処しようとする傾向があるのです。
ここまで考えると、環境変化で体調を崩さないためには、常日頃から心の柔軟体操を行い、人に頼りすぎず、自分で考えて物事に対応することが大切になります。但し、疲労感が休息によって改善しないときは、無理をせず専門医に相談することが必要です。
季節の変わり目で体調崩しやすい時期ですが、こころと体の柔軟体操を日常生活の中に組み込んで、レジリエントな人(疲れない人)になりましょう。
以上です。
1) psychological flexibility; Levin, M. E. (2012) doi: 10.1016/j.beth.2012.05.003
2) locus of control; Rotter, Julian B (1966) doi: 10.1037/h0092976
その48 頭を空っぽにする方法(くらげ体操)
嫌なこと心配なことがあると、そのことで頭が一杯になって、仕事に集中できなくことがあります。夜寝る時にもいろいろなことが頭に浮んで、なかなか寝付けないこともあると思います。そのような時に頭を空っぽにする方法についてご紹介します。
まず姿勢を正して立ちます。
次に足の裏で地面をぎゅっと掴むように力を入れます。
お腹と肛門を引き締めます。
そして、両腕が肩から紐でぶら下がっているように(肩が脱臼したように)完全に脱力します。この姿勢を「上虚下実」といい、人間の体と心が最も安定する形です。この形をとれば 、立ったまま眠れるともいいます。書道、華道、茶道や剣道、柔道、合気道など武道で最も重視される姿勢です。その姿勢ができたら、目を閉じて、まるでくらげが海の中を漂っている情景を想像します。
Wikipedaによれば「くらげは浮遊生活をする刺胞動物」とあります。刺胞動物は筋肉をもたず、脳も心臓もありません(二胚葉性)。海流に乗って海中を漂い、自分の思う方向へは進めません。

ミズクラゲ(すみだ水族館)https://www.sumida-aquarium.com/column/details/652.html
上虚下実の姿勢のままゆっくり長く息を吐いて、呼吸の数を頭の中で数えます(数息観)。そして自分が筋肉も脳もないくらげになって、海の中を浮遊しているイメージを浮かべるのです。人間もくらげと同様、自分の思い通りにことを進める事はできません。見えない大きな自然の力に流されているのです。それの力に抗わないよう、上半身の力を抜いて流れに身を任せます。
デスクワーク中もその体の形を保って、ゆっくり鼻から息を吐いていると(音をさせないように)、疲れ方が全然違ってきます。仕事中は「上実下虚」になっている場合がほとんどなので、上半身の血管が収縮し酸素不足になるため、肩こり、めまい、耳鳴り、頭痛などの原因となります。
夜眠る時は数息観だけでも試してみると、頭が空っぽになって知らないうちに眠っています。仕事中に座っていてもできます。私も仕事の合間や電車の中でやっていますw。
すみだ水族館では2020年7月より「クラゲエリア」がオープンしました。お近くの方はぜひ足を運んでみてください。癒やされると思いますよ。
以上です。
まず姿勢を正して立ちます。
次に足の裏で地面をぎゅっと掴むように力を入れます。
お腹と肛門を引き締めます。
そして、両腕が肩から紐でぶら下がっているように(肩が脱臼したように)完全に脱力します。この姿勢を「上虚下実」といい、人間の体と心が最も安定する形です。この形をとれば 、立ったまま眠れるともいいます。書道、華道、茶道や剣道、柔道、合気道など武道で最も重視される姿勢です。その姿勢ができたら、目を閉じて、まるでくらげが海の中を漂っている情景を想像します。
Wikipedaによれば「くらげは浮遊生活をする刺胞動物」とあります。刺胞動物は筋肉をもたず、脳も心臓もありません(二胚葉性)。海流に乗って海中を漂い、自分の思う方向へは進めません。

ミズクラゲ(すみだ水族館)https://www.sumida-aquarium.com/column/details/652.html
上虚下実の姿勢のままゆっくり長く息を吐いて、呼吸の数を頭の中で数えます(数息観)。そして自分が筋肉も脳もないくらげになって、海の中を浮遊しているイメージを浮かべるのです。人間もくらげと同様、自分の思い通りにことを進める事はできません。見えない大きな自然の力に流されているのです。それの力に抗わないよう、上半身の力を抜いて流れに身を任せます。
デスクワーク中もその体の形を保って、ゆっくり鼻から息を吐いていると(音をさせないように)、疲れ方が全然違ってきます。仕事中は「上実下虚」になっている場合がほとんどなので、上半身の血管が収縮し酸素不足になるため、肩こり、めまい、耳鳴り、頭痛などの原因となります。
夜眠る時は数息観だけでも試してみると、頭が空っぽになって知らないうちに眠っています。仕事中に座っていてもできます。私も仕事の合間や電車の中でやっていますw。
すみだ水族館では2020年7月より「クラゲエリア」がオープンしました。お近くの方はぜひ足を運んでみてください。癒やされると思いますよ。
以上です。
その47 花粉症対策のツボ
今年は花粉症の症状が強いと言われてますので、取り急ぎ作成しました。
ツボ1 アレルギーとは何?
白血球は外敵から身を守る働き(免疫)をしていますが、免疫が必要以上に働いた結果出現する症状をアレルギーといいます。アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支炎、アレルギー性血管炎などの病名がつきます。
アレルギー体質の人は白血球が過剰に働きすぎているため、皮膚や粘膜が腫れやすい特徴があります。もっと過剰に働くと自分の組織を攻撃して、リウマチなどの自己免疫疾患となります。アレルギー体質の人は、ワクチン接種や風邪の後の反応が強く出ます。
免疫には自然免疫(innate immunity)と獲得免疫(acquired immunity)があり、前者は生まれつき備わっているもの、後者は生後に形成されるものです。アレルギーは獲得免疫が過剰に働く場合に起こります。一番激しいものは、アナフィラキシーといい、気管支粘膜が腫れて窒息死します。
ツボ2 アレルギー性鼻炎の分類を知ろう
外的要因(特定のアレルゲン(アレルギーの元)がある場合)
通年アレルギー(ハウスダスト)
季節性アレルギー(春:スギ(2-4月)ヒノキ(4−5)、秋:イネ(6−11)ブタクサ(9-11))
内的要因(特定のアレルゲンはないが、体質的に炎症を起こしやすい)
非アトピー性アレルギー(ストレス、疲労、寒冷刺激で症状が出る)
耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 ガイドライン2021
ツボ3 アレルギー発症のメカニズム
外的要因にせよ内的要因にせよ、最終的には白血球(肥満細胞)がヒスタミンやロイコトリエンなどの血管拡張物質を放出した結果、粘膜や皮膚が腫れることで様々な症状を起こします。粘膜の腫れ(じんましん、鼻詰まり、息苦しさ)、知覚過敏(目や喉のかゆみ、くしゃみ、咳、腹痛)、粘液増加(涙、鼻水、痰、下痢)などが主な症状です。
ツボ4 アレルギーの治療原則
白血球の全体的な働きを弱めるステロイドや炎症物質(ヒスタミン、ロイコトリエン)をブロックする薬(抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬)を使います。薬物療法以外では、アレルゲンを避けることはもちろんですが、十分な睡眠、適度な運動そして白血球を騒がせないリラクゼーションが大切です。
ツボ5 病院の方が安くてよく効くものがある
市販されている薬を病院でもらうと、眠くならない第2世代抗ヒスタミンの場合、
市販 クラリチン(1ヶ月 2500~4000円)
処方 ロラタジン:クラリチンのジェネリック(1ヶ月 保険適応で19.2*30*.3=172円)
と、値段が10倍以上違います(初診料は約1000円です)。
また、市販薬にはありませんが処方薬には安くて有効な薬があります。
抗ロイコトリエン薬 (モンテルカスト 1錠20円 保険適応で月に180円)
ツボ6 市販の点眼薬は使わない、処方薬でも連用しないこと
市販 眠くなる成分や血管収縮薬、メントールなど刺激物が含まれています。その上高い。市販薬は10ml前後で1500円程度します。
処方 ステロイド点眼薬 花粉症で目が充血したりかゆいときは、抗炎症作用を持つステロイドを1−2
日だけですぐに治ります。しかも安い。フルメトロン0.02%点眼 5mlで155円(3割負担で50円)。
ツボ7 市販の点鼻薬は使わない、処方薬を連用すること
2019年からスイッチOTC(over-the-counter市販薬のこと)としてステロイド点鼻薬が登場していますが、安全性に配慮しているためかステロイドの量が少なく、効果は限定的です。また抗ヒスタミン薬や血管収縮薬などが追加されているため、眠くなったり粘膜の線維化をきたすことがありおすすめできません。
ステロイド点鼻は点眼薬と違って予防的に毎日使用します。即効性はありません。使い始めてから1週間ぐらいで、粘膜の炎症が治まりスッキリしてきます。市販薬の中には「すぐに効く」と謳っているものがありますが、血管収縮薬を使用しているため、粘膜を痛める原因となります。
処方 アラミスト(3割負担で1ヶ月分1050円)
ツボ8 咳が長引くとき咳止めは効かない、吸入すること
気管支の炎症を抑えるため、内服薬とステロイド吸入が必要です。放っておくと数ヶ月以上症状が続き、肺炎をきたすことがあります。
処方 アズマネックス (3割負担で620円)
以上です
ツボ1 アレルギーとは何?
白血球は外敵から身を守る働き(免疫)をしていますが、免疫が必要以上に働いた結果出現する症状をアレルギーといいます。アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支炎、アレルギー性血管炎などの病名がつきます。
アレルギー体質の人は白血球が過剰に働きすぎているため、皮膚や粘膜が腫れやすい特徴があります。もっと過剰に働くと自分の組織を攻撃して、リウマチなどの自己免疫疾患となります。アレルギー体質の人は、ワクチン接種や風邪の後の反応が強く出ます。
免疫には自然免疫(innate immunity)と獲得免疫(acquired immunity)があり、前者は生まれつき備わっているもの、後者は生後に形成されるものです。アレルギーは獲得免疫が過剰に働く場合に起こります。一番激しいものは、アナフィラキシーといい、気管支粘膜が腫れて窒息死します。
ツボ2 アレルギー性鼻炎の分類を知ろう
外的要因(特定のアレルゲン(アレルギーの元)がある場合)
通年アレルギー(ハウスダスト)
季節性アレルギー(春:スギ(2-4月)ヒノキ(4−5)、秋:イネ(6−11)ブタクサ(9-11))
内的要因(特定のアレルゲンはないが、体質的に炎症を起こしやすい)
非アトピー性アレルギー(ストレス、疲労、寒冷刺激で症状が出る)
耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 ガイドライン2021
ツボ3 アレルギー発症のメカニズム
外的要因にせよ内的要因にせよ、最終的には白血球(肥満細胞)がヒスタミンやロイコトリエンなどの血管拡張物質を放出した結果、粘膜や皮膚が腫れることで様々な症状を起こします。粘膜の腫れ(じんましん、鼻詰まり、息苦しさ)、知覚過敏(目や喉のかゆみ、くしゃみ、咳、腹痛)、粘液増加(涙、鼻水、痰、下痢)などが主な症状です。
ツボ4 アレルギーの治療原則
白血球の全体的な働きを弱めるステロイドや炎症物質(ヒスタミン、ロイコトリエン)をブロックする薬(抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬)を使います。薬物療法以外では、アレルゲンを避けることはもちろんですが、十分な睡眠、適度な運動そして白血球を騒がせないリラクゼーションが大切です。
ツボ5 病院の方が安くてよく効くものがある
市販されている薬を病院でもらうと、眠くならない第2世代抗ヒスタミンの場合、
市販 クラリチン(1ヶ月 2500~4000円)
処方 ロラタジン:クラリチンのジェネリック(1ヶ月 保険適応で19.2*30*.3=172円)
と、値段が10倍以上違います(初診料は約1000円です)。
また、市販薬にはありませんが処方薬には安くて有効な薬があります。
抗ロイコトリエン薬 (モンテルカスト 1錠20円 保険適応で月に180円)
ツボ6 市販の点眼薬は使わない、処方薬でも連用しないこと
市販 眠くなる成分や血管収縮薬、メントールなど刺激物が含まれています。その上高い。市販薬は10ml前後で1500円程度します。
処方 ステロイド点眼薬 花粉症で目が充血したりかゆいときは、抗炎症作用を持つステロイドを1−2
日だけですぐに治ります。しかも安い。フルメトロン0.02%点眼 5mlで155円(3割負担で50円)。
ツボ7 市販の点鼻薬は使わない、処方薬を連用すること
2019年からスイッチOTC(over-the-counter市販薬のこと)としてステロイド点鼻薬が登場していますが、安全性に配慮しているためかステロイドの量が少なく、効果は限定的です。また抗ヒスタミン薬や血管収縮薬などが追加されているため、眠くなったり粘膜の線維化をきたすことがありおすすめできません。
ステロイド点鼻は点眼薬と違って予防的に毎日使用します。即効性はありません。使い始めてから1週間ぐらいで、粘膜の炎症が治まりスッキリしてきます。市販薬の中には「すぐに効く」と謳っているものがありますが、血管収縮薬を使用しているため、粘膜を痛める原因となります。
処方 アラミスト(3割負担で1ヶ月分1050円)
ツボ8 咳が長引くとき咳止めは効かない、吸入すること
気管支の炎症を抑えるため、内服薬とステロイド吸入が必要です。放っておくと数ヶ月以上症状が続き、肺炎をきたすことがあります。
処方 アズマネックス (3割負担で620円)
以上です